「人材・組織」
仕事を切り上げて、会場には開始直前に着いたのですが、既に500名近い参加者が着席していました。入口では、座席の用紙が渡され、席へ着くと、画用紙で作られた帽子が置いてありました。何かに使うのかなと思っているうちに、講義がスタートしました。
■参加への思い
組織横断型のプロジェクトをどのようにマネジメント、リーダーシップをとるかをテーマに、参考となる理論が学べればという思いで参加した。自分自身、マネジャーとして7名程度の組織を運営している。 また、自身の所属するチームの業務は、他部署メンバーと連携をしながら仕事を進めることがほとんどとなっている。
また専門的に進めている「アクセス解析」に関しては、複数部署のメンバーを巻き込みながらでないと、データからアクションへつなげるということが実現することができない。人と人の関係について学ぶ必要があると考えている。
MBAという体系化された理論を持っている(であろう)講座に参加することで、参考になることがあればと考えての参加であった。
■感想
人材・組織について意識的に考え、戦略的に最適化を図ることの重要性を学ぶことができた。
実際、参加してみた感想としては、わずか120分間だったが、非常に印象深い講義スタイルであり、それにより体験的にビジネススクールで学ぶことの魅力を感じることができたのではないかと思うということである。ビジネススクールというのは、理論と実践で学ぶことがその理念であり、対話することで知が得られるということについて、強調されていたが、それを少なからず体験できたかと思う。
■500人での参加型ディベート
今回、印象的に残ったことは、講座受講者500名による参加型講義、ディベートであった。
『適所が先にあって、適材を当てはめるのが正しい派』と、『適材が先に在って、適所にアサインするのが正しい派』に分かれて、ディベートを行った。
500人を2チームに分けるのだから、かなりチャレンジである。講師の方も、通常は6-7名同士で行うのが適しており、経験上500名はやったことがない未知の領域だと仰られていた。
準備として、ディベートに勝つための作戦会議が行われた。6人1組となり、なぜ自分のチームの意見が正しくて、相手チームの意見が間違いなのかを議論した。私は、適所に適材派のチームである。
ここで対話に活気を持たせる工夫として「6つのハット」が用いられた。
人の意見にはおおまかに6つの観点で思考する。
1.白い帽子(中立的視点(事実やデータ))
2.赤い帽子(感情的視点)
3.黒い帽子(批判的・消極的視点)
4.黄色い帽子(希望的・積極的視点)
5.緑の帽子(創造的視点)
6.青い帽子(冷静的・思考プロセス的視点)
2.赤い帽子(感情的視点)
3.黒い帽子(批判的・消極的視点)
4.黄色い帽子(希望的・積極的視点)
5.緑の帽子(創造的視点)
6.青い帽子(冷静的・思考プロセス的視点)
各帽子をイメージでかぶりながら思考することで、各帽子の視点から考えやすくするのがコツだという。 エドワード・デ・ボノ博士によるアイデア発想技法であるこの「6つのハット」は、確かに、議論が盛り上がった。席に帽子が置いてあったのは、このためであった。
私は、はじめは白の帽子で、意見を集める役になった。しばらくすると、帽子を入れ替えるようにファシリテーターから指示があったので、黒になった。急に、批判的な意見を言ってみる役どころを担った。
さて、出てきた意見は、それなりに納得ができるものかと思う。
「まず目的ありきで組織がある。それが無ければ勝手なことばかりで行動をすることになり、統制が取れない。(なので適所に適材だ。)」
「人材には限りがある。まずは、組織としての箱を用意してから当てはめて行くべきだ。 (なので適所に適材だ。」(→若干ツッコミどころもありそうだが)
私のチームではこのような意見でまとまった。 その後、250人対250人で意見をぶつけあった。
ファシリテーター(およびアシスタントの方)が、大学講義室を巡り、意見を求めたが、一方の意見が出ると、それに対抗する意見を煽るように、進行させて、徐々に盛り上がりをみせる格好となった。
■『適所へ適材』なのか、『適材を適所』が正しいのか
ディベートで意見を戦わせている中で、 面白いやりとりが行われた。
・「野球で喩えると、ピッチャーばかりでは成り立たない。まず、それぞれのポジションがあってから、人がアサインされるものだ。なので、『適所に適材』が正しいのだ。」
・「ピッチャーとして(少なくともキャッチャーまできちんと)投げられる人が居なければ、そのチームは成り立たない。なので、『適材を適所』に、というのが正しいのだ。 まず、スキルのある人がありきで、アサインされるべきだ。」
・「いや、それを言うと、『適所に適材に』という論調ではないか。ピッチャーのポジションがあっての話をしている。」
このあたり、聴講者の発言の語気が強く、白熱して面白かった。
余談だが、このようなワークショップのスタイルは、ゲーミフィケーションの要素を取り入れていると考えてもいいのではないかと思った。どこかで会議を進めるにあたって、取り入れてみたい。
■結論として
結論は、想像の通りかもしれないが、そのときどきによって、変わるというものだ。
戦争のような有事には、「枠は決まってて、人をあてこんでいく」。ひとりひとりの思いよりも、とにかく戦うというもの。平常時は、人を重視する。
それによって、新たな「ところ」を生み出すことにもなるだろう。
『適材適所』(先にところあり、人をあてる)
「人材」と「組織」をつなげるのが「適材適所」という考え方だ。
基本的に組織の設計プロセスは、部門をつくり、細分化してユニットを設けて、役割毎にポジションを設けて、これらを直線でつないでいくというものだ。その特徴としては、仕事に対してひとが配属される。組織の都合が優先で、そのために人材を調達する。組織側から見た最適を目指し、全体最適の程度が強い。といったものがあげられる。
『適所適材』(先に人を考えて、ところを与える)
人材にしごとを割り当てる。ジャックウェルチ氏がいった言葉に次のようなものがある。
「適材を選び、思い切り翼を広げることができるような機会を与えれば、もうほとんどマネージする必要はない」
どちらの考え方も、適切な使い方をする必要がある。
リーダーは、バランスを作っていく必要があるということだろう。
■アカデミックに学ぶことについて
学問として、なぜ『適所へ適材』なのか、なぜ『適材を適所』なのかを考える機会となった。通常、会社組織で仕事を進めているときには、このようなことは考えずに、組織を運営しようとしているものだと思う。「なぜ?」「どうして?」というのは、突き詰めて考えていった方がいい。しかし、そのようなことを考えているうちに時間が過ぎていき、モノを仕上げる納期が来てしまう。
本質を捉える場として、「WBS」のようなビジネススクールで学ぶことが有意義であると感じた。
また、体系化された理論を学びに行くにあたり、参加者自身で実践的に考える形式であると、より現場の実務でその考え方を活かせるのだろうと思った。
今回学んだことも、自社に置き換えて、考えてみたい。

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